NASA NEWS 2月4日


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SOHO衛星が高速度太陽風の源を発見しました

 科学者達は、崩壊したダムから流れ出す水のように太陽から流れてくる帯電ガスの源を発見し、長年横たわってきた太陽の謎を解こうとしています。

 高速太陽風と呼ばれるこのガスは、太陽表面のハチの巣状の模様をした磁場から、時速200万マイルで流れ出ています。

 アメリカとヨーロッパの科学者達は、NASAと欧州宇宙機構の太陽と太陽圏観測衛星(SOHO)を使ってその源泉を見つけました。

 太陽風の本質とその起源は、SOHOが解き明かすことになっている太陽の主な謎の1つです。

 「太陽風の源の探索は、ナイル川の水源を見つけるようなものでした。」と、コロラド州ボールダーの南西調査研究所のドン・ハスラー博士が述べました。

 「30年間、科学者達は太陽大気のコロナの穴と呼ばれる磁場線が開いている領域から吹いてくる高速太陽風を観測してきました。

 しかし最近になってSOHO衛星からの観測を使ってコロナの穴の内部領域の構造を詳しく測定できるようになリました99.2.5。

 科学者達は、長い間この太陽風はコロナの穴から流れ出してくると考えていました。

 新しく発見された事は、これらの流れは蜂の巣状になった磁場の縁の特定の場所に集中しているという事です。

 太陽表面のすぐ下に巨大な対流セルが存在していて、各々のセルは太陽風に関係のある磁場を持っています。

 「もしこれらのセルの一つを中庭にある小路の舗装石だと考えるならば、太陽風は舗装石が合わさっている縁の隙間から突き抜けて集中して生えている雑草のようなものです。しかし、表面では20,000 mphの速度で始まり、200万mph以上の速度まで加速する太陽風は雑草よりも遙かに早く成長します。」と科学紙の共著者であるイギリス、ケンブリッジ大学のヘレン・マソン博士は言っています。

 この研究は、地球の宇宙環境に影響する帯電ガスの流れである高速太陽風についての更に深い理解を導くでしょう。

太陽風は、高速度と低速度の2つの形態で吹いてきます。

 低速太陽風は、時速およそ100万マイルで流れ、高速太陽風は時速200万マイルに達することさえあります。

 それが地球に流れてきて通過すると、太陽風は地球の磁場の形と構造を劇的に変えてしまい、衛星に影響を与え、地球の通信網や電力系統を混乱させる恐れがあります。  

 SOHOに搭載された紫外線放射測定分光装置(SUMER)は、太陽の北極地域の広範囲な領域の太陽風を紫外線を分光(光の色成分を波長ごとに分離すること)して観測することで発見しました。

 天文学者達は物体が放射する光を非常に詳しく解析して、物体の温度や科学組成やその動きを調べるます。

 太陽風の源の領域にある高温ガスは、一定の波長の紫外線を放射しています。

 太陽風の中のこの高温ガスが地球の方へ流れてると、放射された紫外線光の波長は ドップラー効果という現象により短くなります。

 これは、救急車のサイレンの音色がその動きによって変化するのと同様なことです。救急車が我々の方へ向かって来るときは、サイレンの波長は短く圧縮され音は高くなります。救急車が遠ざかる時は、サイレンの波長はより長く引き伸ばされ低い音になります。

 太陽表面から地球の方へ向かう動きは、波長が短くなった事で検知でき、太陽風が始まったことを確認できます。 

 高速太陽風の源泉領域の詳細な構造を確認する事は、太陽風が増大する問題を解く為の重要なステップです。

 「現在我々は、この磁場構造の角で見られるプラスマ(高温の帯電ガス)環境と力学的なプロセスに自分たちの注意を集中させています。」と、この科学紙の共著者でもあるドイツLindauのマックス・プランク研究所のクラウス・ウィルヘルム博士が言いました。

 SOHOは太陽と地球の間の100万マイルの距離にある特殊な位置で活動しています。SOHOは、1995年にヨーロッパ宇宙機構とNASAの国際協力で打ち上げられ、メリーランド州グリーンベルトのゴダード宇宙フライトセンターから運営されています。

太陽風の源泉領域の画像1(JPG 524 Kb)

太陽風の源泉領域の画像2(JPG 401 Kb)

ftp://ftp.hq.nasa.gov/pub/pao/pressrel/1999/99-011.txt



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