7月23日付け CNN Interactive TECH Space 掲載の論説記事

「ジョン・ホリーマンの The View from Space 」


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 今週の View from Space は、最初のアメリカの宇宙飛行士アラン・B・シェパード・Jrに捧げます。
彼は2年間の白血病との闘病の後今週亡くなりました。


 先週水曜日のCNNを見た皆さんは、おそらくウォルター・クロンカイトやゴードン・クーパーやダニエル・ゴールディン、ノーム・サガード、そしてシェパードの生涯と彼の死によって奮起した多くの人達との我々のインタビューを見たことでしょう。CNNは先月6月25日彼の故郷のカリフルニアで飛行士とのテレビ・インタビューを行いました。私たちは彼が病気である事は知っていましたが、こんなに早く亡くなってしまうとは誰も思いませんでした。


 ここにあるのはその時の会話の引用です。

CNN
 あなたの経験で特に強調されたい事はなんでしょうか?

シェパード
 私は生涯において基本的に航空機に興味があったと言えるでしょうね。3歳の時を振り返って見ると、その年にリンドバーグが大西洋横断飛行を行って私のヒーローになったんですね。もちろん私も結局は海軍の飛行部隊に入り、宇宙飛行士の職業を選ぶことになったテストパイロットになったんです。

CNN
 あなたは宇宙に行った最初のアメリカ人で、宇宙船を操縦した最初の人間で、月面にも降り立たれた訳ですが、最も大きな業績はどれでしょうか?

シェパード
 うーん、それについての質問があるとは思いませんでした。これはあなたが思っているような事を満足させる答えではないでしょうが、例えば、月に行くという事は、月面に立って真っ暗な空に浮かぶ我々が見る月の4倍の大きさの地球を見上げながら、そこにいて必死に仕事して必死に仲良くやっていこうと努力している何千何百万もの人々の事を思い、彼らが月面を踏んで惑星地球を振り返って見ることができないのは本当に気の毒な事だとしばらく思うけど、彼らは「おい、やっぱり俺たちは此処を大事にしていく事にしたよ。」と言えるんだと思う事ほど興奮する事はなかったんです。

CNN
 もう一度宇宙に行くチャンスが欲しいですか?

シェパード
 自分は全くそう思います。がっしりした肉体的コンディションが与えられたら、私は「はい、もう一度行きたい。」と言うでしょうね。しかし、私はもう終わってるんです。

CNN
 あなた方のマーキュリー時代の飛行よりも今日の宇宙飛行の方が安全なのでしょうか?

シェパード
 そうですね、そう思います。まず、基本的にひとりゆがり、自信過剰、いい加減さの意識から考案されたアポロの火災事故までずっと遡ってみると、我々全員がやったり言ったり済ませてきた事がスケジュールを遅らせてしまったんです。私は本当にアポロの火災事故が皆を正道に戻したんだと思います。怠惰になってしまう人や機械はあるんですが、その時「アポロの火災事故を忘れるな」という言葉が常に皆の気持ちを引き締めさせたんです。それこそが継続して行われなければならなかった事だったんだと思います。

CNN
 私達は月へ戻るんでしょうか?それとも火星へ?

シェパード
 うん、そう思います。私達は疑問の余地なくいつの日かは月へ行くでしょう。それは今だに古い探査作業です。次の段階は、我々が月に永久的な基地を設置する前に無人探査機を裏側へ着陸させる事でしょうね。でも我々は月へ戻るでしょう。

 火星探査計画全体を行う事は、実際多額の資金が調達できるという条件があります。今正にその理由で計画が遅れているのですね。でも私は火星がそこにあるからには、人類はいつかは月のように火星にも到達できると信じています。

CNN
 もし健康だったら、もう一度宇宙へ行きたいですか?

シェパード
 イエー!もし再度宇宙飛行のチャンスがあれば、1分以内に事を起こすね。

CNN
 現在あるいは当時において宇宙飛行士である最高の事は何でしょうか?

シェパード
 私にとっても、思うとほとんどの男性にとっても、宇宙飛行士である事は絶え間なくチャレンジする事だったと思います。数年間訓練してきたような過程を選択する事が最初のチャレンジでした。別の選択肢もあったでしょうが。最初のグループの後には晴れやかな人たちの一団が続くのが常ですし。チャレンジする事常にありましたし、それらのほとんどは、たとえテストパイロットでなくて複雑な科学実験を行う時にでも同じ気持ちでした。


 私達のインタビューで、シェパードはグレンが宇宙へ戻る事をよろこんでいると語りました。

 シェパードは2回の飛行を行っています。宇宙へ行った初めてのアメリカ人だけでなく、アポロ飛行士の時は月面でゴルフもやってのけたのです。彼は又最近ではボーイング777のパイロットになる機会も得ていました。

 グレンについては、シェパードは我々に
「全てが順調に行くだろう。ジョンは彼の年齢の割には比較的いい身体をしている。明らかに彼は飛行の為の肉体的訓練を行うつもりだろうし、ご存じのように、無重力の環境に於いて人類の身体は衰弱していく度合いのとてつもなく多くのデータが収集されましたが、ジョンは別のデータを加えるでしょう。彼らはジョンからのたくさんの情報を得る事ができるでしょう。もちろん、私はジョンに最初に宇宙服で加圧されると彼の骨にひびが入れてしまうだろうと言ったんですが彼はそれを認めませんでした。(ジョンの飛行は)いいことだと思います。ジョンはとてもよく知られている人物ですしね。資金はいつでも苦しい訳ですから、これからの宇宙計画を建設的に援助できる事は何でもすばらしいことです。」
と語ってくれました。

 アラン・シェパードは74歳でした。彼のほとんどの同僚からは尊敬されていました。私は彼や何年も前の彼のアポロ計画時代の仲間達と一緒にすばらしい晩餐を共にしました。とても印象的だったのは、私のヒーロー達の一人が月面での話をするのに意欲的に時間をとってくれたことでした。彼を失って寂しくなりそうです。              
 

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http://cnn.com/TECH/space/9807/23/holliman/index.html


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